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BEANs'Act 蜂谷京子さん

◇「手応え」を求め続けてきた人生

大学を卒業して普通に就職したけれど、何となく居場所が見つからず、求めているものと求められているもののギャップに悩み、「何か違う」と模索する日々が続いた。そんな中で唯一の息抜きがコーヒーを飲むことだった。お気に入りのコーヒー豆屋さんが閉店すると聞いて、それなら私が引き継ぐ! と思わず手を挙げた。幼い頃からコーヒー好きの父のために豆を挽きコーヒーを淹れた。その香りとほろ苦さに心惹かれる少しおませだった少女が「コーヒー挽売専門店 BEANs'Act 」を開店して20数年、努力すれば必ず報われると、休まず店を開け続けた。
コーヒーにあう美味しいものを探しているうちに、お客様から「ここ本当にコーヒー豆専門店?」と聞かれるほど、各国の様々な食品が所狭しと並んでいる「コーヒー豆屋」となった。店の奥には小さなギャラリースペースも完備。生産者さん、お客様、アーティスト……、様々な方々との交流が模索していた「手応え」を確かなものとしてくれた。店の棚には父のためにコーヒーを挽いていた赤いグラインダーが、今もこの店の行く末を見守っている。

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